浅い、根がきつい、足元は三段構えのひな壇、そして・・・手前を固める要塞の砦のようなシモリ、さらに、取り込みが困難な足元・・・etc、普通であれば狙いたくない場所だが、マッチン右はなれマッチン本島の場合、沖向きで竿を出せるポイントは意外に少ない・・・・魚をかけても獲れないかもしれないと言う気持ちを打ち消して勇気を出してそこを狙う。

結論から言うと、結果的に・・・ マッチン本島マッチンの右はなれで竿を出した者の中で、キーパを手に入れた者は、全てこのキケン極まりないワンドのサラシの中で魚を仕留めている。それにしても・・・釣りとは気に恐ろしき奥深さを持った遊びである。キケンなワンド・・・・このポイントはマッチン本島からも狙えるポイント、マッチン本島からは潮が下げてから飛び石を渡って右はなれと本島の間のお立ち台のようなハナレに乗れば攻められる。

時を戻そう・・・・数時間前・・・浜ちゃんがこの場所を諦めた直後、私に念願のキーパーが来た、そして立て続けに30センチ台のキーパーを仕留める。この時点で海春もすでに2枚のキーパーを右カドで仕留めている。何とかノンキーパーだけは逃れた・・・少しだけ安堵感に包まれる・・・逆に・・・

この30センチ程度のキーパですらこのポイントで獲るのは至難の業・・・
左前のシモリにできたサラシが、右ハナレの前で、時折、頭を出すオーバハング状シモリの前面へ向かって流れるため、ここの魚は、右前の突出したシモリの前で食ってくる・・・当然、魚はそのすぐ近くの手前のシモリへまっしぐら・・・つまり右ハナレで掛けた魚はその手前のシモリ越しにやり取りし、そのシモリを乗り越えさせなければ獲ることができない。万が一、大型なんぞ食おうものなら・・・獲ることができるかどうかは常に疑問符がついて回る状況下でひたすら大型を狙う・・・。

 
 
そんな不安いっぱいの中で、やはりと言うかこんな場所だからこそなのか・・・ついに大型が食ってきた・・・明らかに先ほどまでの30センチ台とは違う強烈な強引・・・魚の重量を感じた刹那、とっさに竿を水面近くまで下げて強引に魚の向きを変えようと試みる・・・・それは、大型魚がシモリへ向かう速度に、釣り人のリールを巻く速度が敵うかどうかの脆くも危うい・・儚い攻防・・・もちろん勝るわけがなく・・魚は手前のシモリへ難なく逃げ込む・・万事休す。

剛を癒し・・・ハリスを一気に上げて根ズレに少しでも耐えうるハリスを結ぶ・・・強か、かつ、憎たらしいほど警戒心の強い房総のメジナは釣り人の姑息な手段なんかすっかりお見通し・・・・先ほどまでの反応が一切なくなり口を使わなくなる・・。
哀れ釣り人・・・唯一の強気になれる手段を捨てハリスを落として儚い挑戦へと向かう・・・。

そんな 悲しき釣り人の性を知ってか知らずか・・・この環境では明らかに頼りなく危うげなワンランク細いハリスですっかり気弱になった釣り心に、追い討ちをかけ、さらにトドメを刺すかのような大型が満を期して食ってくる・・・・。