釣友の船○氏から願ってもいないお話を頂いた。その内容は「3月にチョンボリいきませんか?」であった。あまりの「タナボタ話」に二つ返事でOKを告げ、本来船○さんが行くはずだったチョンボリに私とゴエで行くことになった。船木氏の前回の爆釣が目に浮かび彼の狙っていたポイントや竿さばきのイメージが鮮烈に脳裏を駆け巡る。エキスパートの釣りとはいつでも鮮烈な印象を与えるものである。

私達が彼のような釣りが出来る訳も無いが気分だけは釣りに出かける前から爆釣気分である・・・。なんとも単純でメデタイコンビだと改めて感じる。本来ゴエは「自分はクロダイ師と言うタイプだ!」と言うのでノッコミシーズン直前の型モノのクロダイを狙う作戦に出るかと思いきや・・珍しくメジナを狙うと言う。実は私も半分クロダイを釣りたいと思っていたがゴエのその一言を聞いて「メジナマン」としては黙っていられない!いきつけの釣具店「釣侍」で一度籠に入れた「ムギパワー」を「グランディス」に入れ替えて当初の予定通り「寒メジナのラストを飾る!」と勝手に意気込む!

前回、この磯へ乗った船○さんは、見事な振込みの技術と正確なコマセワークで40アップを含む多数のメジナをしとめていた。彼のようにかっちょよく釣りができるとは思わないが・・・こんな私だって一匹くらい釣れるんじゃないかあ〜と淡い期待を寄せながら、途中のセブンイレブンでこのところBIGONE MEMBERSの中でブームになりつつある「ゲン担ぎ」のオデンをほうばる・・・オデンの神様・・どうか私に爆釣を・・・・・・。

「うししし・・今日は煮込みカルビもあった!」なんだかツキがある!

たらふく食べてから・・・そんな詰まんないことでツキを使ったと後で気づいて変に不安になる・・・「まるで思春期の少女のように心は不安定」・・・・・ん!?そんなことない・・?えっ!?気持ち悪い?・・・はい。そんじゃ「思春期のヒグマのように神経質」になって・・・。房総半島を南下した。これなら良い?はい・・。
鳴釜渡船さんに「5時に来ててね!」と言われ現地についたのは4時45分。すでに数名の釣り人が早々と支度をはじめていた。私たちも早速磯の戦闘服に着替える。考えてみればゴエとのマッチアップは久々である・・なんか特別な気分になる。「メジナを釣る!」〜〜〜かなんか言ってちゃっかりクロダイを釣るという攻撃を過去に何度も食らいショックを受けているので先行逃げ切りでダメージを与えなくては・・。

東の空が黒から薄紫になったころに渡船開始。あたりはまだ真っ暗であるが早々に船は猪瀬を目指し疾走する。サーチライトを使ってまずは本島に上がるつり人を下ろしようやく私たちの番が回ってきた・・・実際に船を付けられると「チョンボリ」は思いのほか狭く見える。荷物を降ろし終えて自分が上がって見るとなおさら狭い。「おいおい・・・荷物どこに置くの??」まさにそんな感じである。竿類はとりあえずひとつにまとめてきたが磯バックが二つ。本気で置き場所に困る・・・。すでに「チョンボリ」に飲まれている二人組み。
チョンボリは本島に比べるとかなり低いので目に入ってくる景色が本島からの景色とぜんぜん違う。つまりどこに根があるのかまるで分からない・・・しかも陽が出ていないので偏光グラスを使用してもなおさら分からない。「どこを狙うの??」まさにこんな感じである。とりあえず、足元の釣り場所を確保しコマセを作り仕掛けを作る。「アサイチは瀬際狙い」このセオリーを信じて朝一番は足元からはじめる事にした。コマセをいつもより多めに入れても餌取りの姿は見えない。瀬際狙いなら絶対的な信頼を寄せている「プロ山元ウキ0号」をチョイスして数度仕掛けを打ち返すが反応なし。30分程それを繰り返すがあたりはなく餌も残ってくる。。。やがてお日様が顔を出してくれたので見えなかった根が少しずつ偏光グラスをかける事で見えてきた。

仕掛けを遠投できる仕掛けに変更し作戦変更!
狙いは40メートル先の根の向こう側!

「構え!!打て〜〜!!」そんな感じで遠投タイプの自重のあるウキを放り投げる。遠投はフォロースルーが大事・・そんなアホなこと考えながら「マスタードライ」から気持ちよく出る糸の感触を楽しむ。「それを楽しんでどうする!」そう思われる方も多いだろうが、朝一番の活性の低さに嫌な予感を感じ始めていた私には最高のストレス解消になるのだ!!遠投の1投目。左から右にゆるく流れる潮にのったウキが少しシモル。「当たってる!入れ入れ!」そう強く願うと斜めに綺麗にウキが消えていった・・。「よっし!食った!あわせま〜〜〜す!!」そうゴエに告げて糸ふけを取り大きめにあわす!「ゴツン!」遥か遠方からの魚からのコンタクトをキャッチ!その瞬間・・!ギュ〜〜ンと竿が大きく閉めこまれる!
結構沖目でかけているところに魚が走ってから併せてるので思ったよりも糸が出ている遠くで締めこむ魚に竿の弾力で抵抗し竿がしなった分だけ竿が勝手に反発し魚をグイグイ浮かせていく。浮いた分だけリールにすばやく糸を巻く。

「なんて楽しい!!なんて面白い!!」

魚を浮かせることに抜群の調教が施されているマスタードライの楽しさを存分に味わえる釣り。これを3度4度繰り返し足元に寄せると魚は最後の抵抗を繰り返す。最後は足元のエグレへ突っ込む!「おい!そこはヤバイ!そこはダメ!!」なんとか糸をだして緩めて向きを変えさせて右に魚を振って水面を割ったのは40センチを超える口太メジナ。「うひゃひゃひゃ・・・いひひひひ・・・どひゃひゃひゃひゃ」訳の分からない笑い声でゴエが渡してくれたタモへ収めた。魚のサイズよりもこの釣り味がタマラナイ・・。

最初の一尾を釣ってスカリに収めハリスを点検すると・・・

( ̄○ ̄;)!なんじゃこりゃ!であった・・

ハリスが綺麗にささくれていた「ヤバイ。。この足元。ヤバ過ぎる!!」

その後、同じところに振り込むとそのサイズよりやや小ぶりな37〜38cmクラスがバタバタと連発で釣れて来た。足元は先端まで出て出っ張りをかわす。

「おいおい!ど〜〜〜〜なっちゃうの今日は!!」しかも時間が経つにつれて潮が早くなり、それにあわせて時折「ビュッ〜!」と道糸を引っ手繰るあたりがある。そういうときの魚の引きはサイズの割には強烈であげてみると・・・案の定「尾長メジナ」それも房総では良型の35センチクラス。「楽しいぞ!死ぬほど楽しいぞ!」

そんな私を横目に足元から出るサラシに乗せて根の際で張って釣りをするゴエ・・・「うむむむ」やはり彼はメジナでは動揺しない・・何食わぬ顔で淡々と仕掛けを打ち返す。「クロダイ狙いだな・・・お主」そう・・ゴエはどうも私のメジナ先行逃げ切りを一撃で打ち消す大型黒鯛狙いに徹している・・。

「どうなっちゃうの!俺って上手いの!!?」なぞと大きな勘違いまでさせてしまうほどメジナの活性は高く魚影は濃い。実際、初めての大記録も見えてきそうなハイペースで魚をかけていくチョンボリの二人。

「沖目にいい潮が流れ出したよ!!さあ!!サイズアップ!」そう思い気合を入れなおした瞬間。「ピュ〜〜〜〜〜〜」と冷たい風が私の左頬にあたりだし・・僅か数分で状況は一変。魚をかけてもいないのに竿が曲がりっぱなしの強風が吹き出した。。しかも右斜め前からの強風なので遠投も利かない・・・最悪のパターンになった。。その後足元を探る我慢の釣りに豹変した。。

私の釣座は右前方からの強風が吹くと最悪になる・・・遠投すれば道糸が大きくふけてゴエの首を締めかねない・・・そんなことしたら磯からつき落されるので「風に向かって投げろ!」を繰り返し無駄な時間を過ごす・・11時ころになって残り1時間というころ一瞬だけ風がやんだ。あとで考えてみるとその時間わずか10分って感じだったと思う。仕掛けを再度遠投仕掛けに替えて先ほどの遠投ポイントの少し左側の根の際に投げ込んだ。

コマセを潮の流れの筋に入れて待っているとウキが5センチくらいシモって浮き上がってこない・・「ありゃ?あたってる?」少し聞いてみるそれでも動かない。根の際なので「引っかかってる・・・」そう思いながらも「あわせま〜〜す」と言ってあわせてみた。「ドスン」という効果音が最適なような重さが竿にのる・・・・・・・・・

「えへえへ・・やっちゃった・・根掛かり(/o\)」

とゴエに言って引っ張ってみるとなんかやたら重いものが少しずつ手前に動いている

「???????」を頭にいっぱい出した瞬間、軍艦が一気に動き出した。
「ぎょえ〜〜〜!カジメが走り出した〜〜!!!」

その軍艦は左の本島の前に向かって強烈に走る・・他のつり人とゴエが仕掛けを流している方へまっしぐら!「そっちはだめ〜〜〜〜〜!」竿でためるが限界まで曲がった竿ではとまらず締め切ったはずのドラグから「ギャ〜〜」と道糸が出て行く。強引にとめて何とか向きが変わった・・比較的素直にこっちに向いてくるしかし今度は足元の張り出しで暴れまくる。先端まで出てやりとりをしてウキが見えたとき・・・もうひとつウキが目の前にぶら下がっていた・・??
その状況に面食らったのは・・根掛かりと宣言してしまった私の竿曲がりを見て自分の釣りに戻ったゴエ本人。やり取りに苦しみ魚に先手を取られた私のお粗末な釣りで彼の仕掛けを引っ掛けてしまった。足元で突っ込む魚に水面を割らそうとリールを巻くとゴエの道糸が絡んでいてそれ以上巻けない・・・あと3メートルくらい!!

「お〜〜〜巻けない〜〜!!うぎゃ〜〜!」

あたふたする私たちにその魚は強烈な突込みを足元へ敢行する・・一番前まで出て糸を出せば・・・なんとかなる!あきらめずにとっさにレバーを離す・・・・・・・・・・・・。

「Oh!!!!NO〜〜〜〜〜!!!糸がでな〜〜〜い!」「あ〜〜ん・・切れちゃう・・・あ〜〜切れちゃう・・・あ・・・あっ」AV女優のような切ない喘ぎ声はあっさり途切れた・・。

「切れちゃった・・・(T-T)」

やっぱりオチをつけた出来事であった。。責任感の強いゴエはこの出来事にちょっと凹み気味・・・あなたが悪いんじゃないんです・・・私が根掛かりと言った事で魚に先手をとられた事がそもそもの問題なのです・・・ご迷惑をおかけしました・・。

こんな感じで「チョンボリ」の爆釣体験は終了した。エキスパートに言わせれば「それぐらいあたりまえだよ!」と言うような釣果かもしれないが、ヘタッピな私にしてみればまさに目からウロコ・・青天の霹靂な釣行でした。こんな機会を与えてくれた船○氏にこの場を借りて改めて感謝を申し上げます。きっと彼が行っていたら・・・私の倍は釣ったんだろうなぁ・・・。房総も捨てたもんじゃないじゃん!