2006年 南伊豆、妻良、サメノリ島。

BIGONE MEMBERSが1尾も出ないだろうと宣言した島で・・・

30センチのキーパーを3尾もしとめた男がいた・・・。




これはそんな男の話である。
 
時は折りしも・・・磯釣りGP戦国時代。秋磯開幕の重要な例会での出来事。その男は静かに時を待った。ババたれ浜ちゃん将校の作戦報告が早朝より、薄暗い明け方の空に響く・・・「各自、時間一杯まで精一杯釣るように!」

サーチライトに照らされながら決して明るくは無い磯への上陸作戦が始まった。勇士たちが一人消え二人消え・・闇の中の磯へ降り立ってゆく。同氏達の表情は心なしか緊張に包まれている。

まだ薄暗いからではない・・・この日の釣果がB-1GPの後半戦を左右する大切な戦いであることを理解しているからである。各々が配置された部署につき、まだ静かな闇のなかで静かにタバコを吹かしながら夜明けを待つ。

夜明けと共に火蓋を切られるこの戦・・・まさに嵐の前の静けさ。

 
1年間の長い戦いを決するにおいて重要な折り返し地点でもある
ここ南伊豆、妻良の戦い。

夜明けと共に一斉にコマセ爆弾の投下が始まる・・・・
空爆のごとく磯際、シモリの脇、潮筋・・・
目地奈のいそうな場所に集中砲火を浴びせるB-1軍。

しかし長い実践経験を併せ持つこの軍の傭兵達はすぐに異変に
気がつくことになる・・・目地奈がいない・・・・。

本来であれば足元へ乱舞する前線の小メジナたちがいない。
 
この症状は、それぞれが降り立った島で同時に起きている現象であり、勇猛果敢に磯へ降り立った戦士達は少し拍子抜け。いやなによりも相手の一個小隊どころか、にっくき敵・・・餌取りもいないのだ。

最悪だ・・・この戦は最悪だ!!誰とも無くこうつぶやく・・・。

そう・・・この時点で誰もがこの戦の過酷さを実感していなかったのはいうまでも無く、この時点ではあの男の台頭を誰もが予想だにしていなかったのも事実である。

 
予報は雨・・・。
戦うべき相手が逃避行を続けすっかり行く先を失った特攻魂・・・その中でかげりを見せずに輝き続けた者・・そうそれが生きた魚を持ち帰ることを許される・・・人はそういう戦士をこう呼ぶ・・・ミスターキーパー。

誰もが敗戦を覚悟したとき・・・その男は幻のシャンパンゴールドの剛竿を振り回し続け・・・一筋の光を同志に与えたのだ。ミスターフミ。

私はこの名前を永久に忘れないだろう・・・それは同じ磯で戦っていた・・海春・クロ・PUUも同じである。彼はこの厳しい戦況の中で一人息を吐いたのだ。誰もがキーパー25センチすら仕留められずに苦労する中。

この日、唯一の良い潮を独占したミスターフミが30センチを超える尾長を次々に仕留めていく。

この光景に勇気つけられ立ち上がった同志も多かったはず・・・・。