この頃・・・長ン根の尻尾に陣取った浜ちゃんには事件が起きていた・・・・足元にもくもくとコマセを入れ、その来るべき時を待ちながらしっかりキーパーを獲っていた浜ちゃん。キーパーも獲った、さぁ!いよいよ期は熟した!大物狙い!そう思った矢先に自分の足元に流れたきたウキの沈み込みを目のあたりにした・・・・それは上品に・・・そして静かに・・・水面に吸い込まれるように消えていくウキ・・・まるでワルツのようなそのゆったりとした一連の流れが一瞬にして転調する!

反射的にあわせる釣り人!そのリズムは豹変・・・まるでハードロックを思わせる激しい締め込みが磯を駆け巡る・・・その強引は釣り人を引きずりまわし、長ン根の尻尾を回り込み反対側まで回り込むパワーを見せた・・・・。
 
62.5a×3.7`尾長メジナ・・・・・。
離島ファンの夢が大会の最中にしとめられた。浜ちゃんは唖然・・・狙い通りの足元にやっぱりそれは潜んでいた。

釣りにタラ・レバはないが・・・もしあの時浜ちゃんが足元に狙いを切り替えていレバ・・・もっと粘り強く際を責めていタラ・・・浜ちゃんの仕掛けにそいつは食いついていたかもしれない・・・・。

離島ファンの夢によってこの大会の初日は一気にドラマチックな展開となる。これこそが神津島で大会を行う理由。釣り人の夢が大会の最中に姿を見せる。まさに究極の大メジナ釣り大会。
 
さて・・・BIGONEのメンバーの初日を追ってみよう・・・今回、初参加のなおちゃんは、本島周りの二七に降り立った。足元からドン深の磯の攻略に手を焼いていたが、九州で培った対応力はここでもすぐに発揮された。クチブトメジナの良型を含む40aアップを2枚検量に持ち込む。若手筆頭!勢いに乗る海春は???この大会の勝敗を左右したとも言えるキーポイントになった「エボシ」に降り立っていた。沖のエボシと陸のエボシ・・・この初日はこの二つの磯が大爆発。ここに降り立った釣り人はすべて大型のメジナを仕留めていた。もちろん!若手のエース海春もしっかり40a中盤のメジナを2枚検量へ持ち込む。

この日、私の乗った大根は、私を含む3名しかキープサイズをしとめることができなかった。高野さんは40a台のメジナを1枚仕留めるがその後が続かず・・・恩馳大根を早々に諦め祇苗へ磯替えする始末・・・その中でひときわ目立った釣果はYoshiy。平均46aを超える釣果は暫定順位があったのならかなりの上位につけていたであろう・・・・そう、それは、本人の意識にはないであろう、まさに優勝も狙えるポジション。

 

 
二日目の朝は窓を叩く強い風で目が覚めた・・・やはり予報どおり海上は強い南西風で波立っている・・・大会本部は早々に昼上がりを告げた。「今日は短時間勝負!」ここに名前を連ねるレベルのものであれば、誰もがそう感じ取った。

2日目の磯割り、私と海春が長ン根に降り立った・・・風が強くつりづらいこともあったが、海央丸は鯖が回ったと言う祇苗を拒否し、三角波がたつ荒れ模様の中、強引に恩馳に船を回した。私が降りた長ン根は、先端部分と尻尾の部分が波をかぶり釣りにならない・・・その中でも、くじ順が良かった海春が長ン根のデベソと呼ばれるチャカツケ場につり座を取る、隣には百戦錬磨の高野さん、そしてその反対側にがまかつの中山さん。

私はここでも順番が最後・・・尻尾も先端も水没しているため釣り座がない・・・しかたなく一番尻尾側につり座を構えるが・・・僅か1時間で撤収・・・。3度4度と頭から波をかぶり心が折れた・・・・。そして、釣り場がなくなり、最初の2時間を無駄にする。その後、なんとか中山さんの隣に入れてもらいとりあえず釣りができないあぶれ状態は免れた。

しかし、これだけの時化模様にもかかわらず、長ン根は潮が動いていない・・・デベソの海春も検討するも・・35a程度のキーパーを獲るのが精一杯・・・・また、高野さんも同じようなサイズを2枚そろえるのがリミット・・・唯一、最も尻尾よりにいたチーム高野所属の中村さんが48aと40a中盤を仕留めた。前日は先端部分で多くのキーパーが上がっていたようだが、その良い潮はすでに目の前から消え去っていた。
 
 
この状況下で最も期待できる場所に降り立ったのはYoshoy。土曜日の釣果では40a後半サイズを含める多くの40アップが仕留められた有望磯、陸のエボシへ。初日のトップが62.5センチを含め2枚のキーパを獲ったことにより初日の総長寸が1.0メートルを越えた。ある意味独走状態。2位以下のほとんどが少なくとも10センチくらいの差をつけている。

つまりこの大会は、万が一が起きなければ2日目にトップが平均サイズのメジナを2枚持って帰ってくれば勝負は決まる。追従する2位以下がトップをひっくり返すには少なくとも40センチの後半サイズを2枚揃えなくては検量も必要なくなる展開。そんな中でもYoshoyの初日の総長寸は92センチを越えていた。唯一トップとの差が10センチを切っている計算になる。

2日目の勝負・・・ある意味62.5センチを上げたトップと真っ向から勝負できるのはYoshiy。BIGONEの中でそれを追うのは浜ちゃん初日90cm越え、海春、初日90cm前後、ナオさん、同じく90cm前後、そして46aと43aで89センチのおぱ。おそらくこの時点のBIGONEの長寸では私が最後尾であったと思われる。

陸のエボシ・・・・・Yosioy・・・・期待された磯だっただけに彼の落胆は大きい。前日、長ン根の先端をかすめていた潮は姿を消し、左右にふらふらと揺れ動く落ち着きのない気まぐれな怠けた潮が目の前に広がる・・・・隣に乗ったパートナーもこの潮に手を焼く。魚の反応はあるものの昨日の大型は影を潜め・・・小型が頻繁に餌を横取りする・・・まほろばの潮は・・・昨日、大いなる夢と希望を釣り人の明日に与え・・・・今日、ひたすら上を向き竿を振る釣り人の期待と夢を打ち砕いた。