B 転落者の救出方法の訓練

転落者を船へ引き上げる訓練、転落者をロープで救出し、磯(堤防)へ引き上げる訓練。
この訓練の要点は、船や磯へ引き上げる際の引き上げ方が重要でした。

基本は、波の穏やかな場所へ誘導し救助する事です。磯であればロープで固定し、裏側などの波の穏やかな場所へ誘導しましょう。

一、両腕を持って引き上げない

  足場が高い場所であれば最初は両腕を持って引き上げなければなりませんが、完全に引き上げるときには両腕を持った上体では胴体が磯や堤防の上へ上げづらいことが分かりました。最終的に引き上げる際には、ライフジャケットの襟部分を掴んで引き上げる事が有効だと学びました。写真参照

二、磯や堤防のそばにきたら、岸壁や磯へ手をつかない(転落者)

磯や堤防には多くの貝類が付着しています。これらの貝類は、ある意味、剃刀のように鋭利な突起物となっています。ちょっと触れただけでも、手を切ったりと怪我をします。磯際にたどり着いても慌てずに、救助する人間に従って対応しましょう。

また、自力で海から上がる訓練も行いましたが、想像以上に大変だという事がわかりました。訓練は堤防で行いましたが、堤防についている梯子でさえ貝が付着し手に怪我をする訓練者もいて、思いのほか苦戦しました。また、水分を含んだ衣類は、海上では、浮力の助太刀をしてくれる心強いモノでしたが、水面から上がろうとすると、想像をはるかに超えるほど重く、自力で這い上がるのは、体力を使った後では不可能であると実感できました。

 
 
これらを考慮すると、転落した場合は、まず、波の穏やかな場所へ移動し、同伴者がいれば同伴者の投げ入れてくれた浮力のある(クーラーボックスなど)ものに掴まって呼吸を確保。その後、救出できる同伴者が2名以上おり、なお、救出できる安全な場所があればロープなどを使って救出する、そうでない場合は、救援を呼び、流されないようにロープで体を確保し救出を待つ。これが基本的な対処方法だと思いました。

しかし、海水温が下がる冬場は、転落者の体温が急激に奪われて低体温症状に陥り、体の自由が著しく利かなくなります。

救援を呼ぶにしても救出するにしても時間との勝負です。いざという時のために、同伴者は必ず携帯電話に、「船頭さん・渡船屋さん」の連絡先をメモリーしておきましょう。また、海上保安庁への緊急連絡先【118番】も必ずおぼえておいて下さい。


磯釣りは、安全装備を怠らなければ、比較的安全に楽しめる釣りです。昨今では、ライフジャケットの着用などの意識も格段に高まりました。

その一方、身近な堤防釣りなどでは、足場のよさからか、未だにライフジャケットなどの安全装備を未着用の釣り人の姿を多く見受けられます。磯釣りだから危ないのではなく、海釣りでは、何が起こるか分からないのです。