尾長メジナ特有の綺麗なトルクで竿が絞られる・・・

豪快で乱暴なイスズミの引き味を例えるなら・・・

大排気量のNAエンジンにボルトオンでターボを付けたマシーンのような引き、ターボラグでギクシャクするが
ブーストがかかってからのパワーの盛り上がりはまさにとめどなく唐突。

対照的に

メジナの引き具合を例えるなら、限りなく洗練され程よく熟成されたシルキーなNAエンジンに匠の技でチューニングが施されたような引き味、よどみなく吹け上がる明確なパワーバンドを持ち、そのパワーバンドは強烈無比、電光石火放物線を描いて吹け上がり続ける。

このよどみないパワー・・・海底へ向かって一気に加速するスピード、間違いないメジナだ!!そう確信する。

ハリス3.5号、道糸3.0号、竿1.7号相当・・・どこをとっても力負けするはずがない・・・が・・・
締め切ったはずのドラグが飴細工のようにとろけて逆転を止めない・・・止まらない・・・止められない・・強引。

海面に突き刺さる竿・・・1番、2番、3番・・・それでも耐える・・・走りが重さに変わった!

さぁ! ここからが勝負!!

しかし、耐え切った竿の角度を見て興ざめする・・・自分の竿がまさに自分の足元の磯へ食い込んでいる・・・
赤島のテラスの足元は強烈なオーバーハングになっていて魚はそこへまっしぐらに走る・・・
一瞬でも磯に触れればTHE END。

可能な限り腕を前方へ伸ばし・・・磯に触れないようにやり取り・・・ミリ単位、センチ単位の攻防
あとわずか・・・もう少し!!
矢引きにしたウキが見えた!!その僅か数センチ下にはこの歓喜の獲物が見えるはず!!!

「おぱちゃん!ほいっ!!タモここにおくでぇ〜!!」

そう言うS氏の声が聞こえたその次の瞬間・・・

そいつは岩と化した・・・。

 
 

赤島のテラスのオーバーハングの壁には無数の亀裂が入っており・・・いわば横穴のような状態になっている・・。
全てが終わった後から覗き込んで気が付いた・・・。

それは釣り人の足元の僅か数センチ下までにも釣り人を苦しめる地雷のように口をあけている。

まんまと・・・その罠にはまったのは・・・私・・・いわゆる完敗。

その後、S氏も数度、同じようなアタリをとらえるが同じように玉砕・・・強烈な走りを止めるが
彼の2.5号のハリスでは持たない・・・相手が悪い・・。

足元の混沌は・・・まさに挑む釣り人を気まぐれに弄んで姿を消した。
あと1時間あれば・・・・そんな思いの中、迎えに来た福寿丸に乗り込んだ。

 
 
嬉しいじゃないか!!!こんな混沌がこの足元にいることが!
楽しいじゃないか!!!そんな獲物が簡単に獲れないことが!

散々弄ばれて妙にニヤつく釣り人2人。

今日は久々に良く寝れそうだね〜〜〜笑 悔しいとかそんな感情は皆無。やっぱり魚釣りは
頭が真っ白になるような大きな魚に遊んでもらってこそ、その醍醐味がある。

そんな魚がこの身近な海にまだまだ乱舞していることが心から嬉しかった釣行・・・。

なにはともあれ・・・・・

 
と言う・・・・ことで・・・ちゃんちゃん。